考える力とは
その言葉の通り「自分の頭で考える力」のことですが、これからの時代に必要とされる「考える力」とは、こういった能力のことを指します。
- 自分が保有している知識を世の中にある情報と関連付けながら、今どのようなことが起こっているか、これからどのようなことが起こりそうか考察する。
- 課題を見つけ、その解決プロセスを考案し、新しい価値を生み出す。
社会人基礎力の1つである「考え抜く力」
2006年に経済産業省が提唱した「社会人基礎力」の1つに、「考え抜く力」が含まれています。
「社会人基礎力」は元々、第四次産業革命の下で発表された「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」のことですが、近年その重要性は増しており、2018年には「個人のライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力」として新たに定義されました。
この「考え抜く力」は3つの要素から成り、ビジネスパーソンとして活躍していくうえでぜひ押さえておきたいスキルといえます。
<考え抜く力を構成する3つの要素>
- 課題発見力:現状を分析し、目的や課題を明らかにする力
- 創造力:新しい価値を生み出す力
- 計画力:問題の解決に向けたプロセスを明らかにし、準備する力
考える力を高める方法
日常でぜひ意識して取り入れていただきたい5つの方法を紹介します。
方法①:常に疑問を持つ
考える力で重要な要素の1つは、「思考の深さ」です。
深く思考できるようになるには、受け取った情報に対し「なぜ?」と深く掘り下げ、因果関係を捉えることを習慣づけていくことが有効です。
例えば、生活の中で起こる問題やニュースの出来事について、漠然と眺めるのではなく、「なぜそのようなことが起こっているんだろう」と考えるようにしてみましょう。
自身の知識だけでは検討がつかない場合は、調べても構いません。
「なぜだろう」と疑問を持つことが、自分の頭で考えることの第一歩です。
方法②:具体と抽象を行き来する
具体化スキルと抽象化スキルは、考える力を高めるうえで、両方とも欠かせないスキルです。
例えば、抽象化スキルが欠けていると個別の事象から本質や共通点を見つけ出すことができませんし、具体化スキルが不十分だと実行性のない漠然としたアイデア止まりになってしまいます。
日常で自分が使っている言葉を思い返してみて、どちらかに偏りがあるようであれば、意識的に欠けている方で物事を考えてみるようにしましょう。
方法③:思考の癖に気づき、改善する
考える力を高めるには、「思い込みや先入観」を捨てることと、自身の「思考の癖」に気づくことが重要です。
思い込みや思考の癖は、ある種の思考停止に近い状態を引き起こし、思考の幅を狭くしてしまうからです。
こうした癖を改善していくためには、「クリティカルシンキング(批判的思考)」という、意識的に自分の考えを批判的にみる思考法の習得が有効です。
クリティカルシンキングを鍛えることで、主観や先入観に捕らわれずに物事を見る力が養われていきます。