忘年会に限らず、会社などで行われる宴席では、
「本日は無礼講で!」
なんて言葉をよく耳にします。
無礼講というのは、地位や身分の上下を取り払って楽しむという趣旨の宴会のこと。
上司や先輩が、
「今日は身分に関係なく、楽しんで飲もうじゃないか」
と後輩を気づかって発言するわけです。
しかし、ここで絶対に気をつけてほしいのが、
「無礼講は無礼講じゃない」
ということです。
仲間内ならともかく、会社や先輩後輩などの関係の場合の無礼講は、本当に無礼講であるかわかりません。
『楽しんで欲しい』という意図から、形式的に述べられるているのが殆どで、一種のお約束のような言葉でもあります。
会社の場合、「今日は無礼講だから」というのは慣用句のようなもので、決して本心からの言葉ではないのです。
上司や先輩にとっては、その場その場の雰囲気に合わせて盛り上げようとしてくれる部下が好ましいもの。
だからこそ無礼講と言ってるだけであって、実際、無礼講を真に受けて、騒いだりするような人は嫌がられます。
そもそも、会社で飲む、課で飲む、部で飲むというのは、もう仕事のようなものです。
ですから、参加する側もそのことを意識して、あとでバツの悪い思いを残すような飲み方はしないようにしましょう。
上司も無礼講と言ってしまった手前、その場では叱ることもできず、あとになって人事異動をされる、といったケースもなきにしもあらず。
「飲み会での言動や行動はその人の本音」
とは、世間でよく言われることです。
無礼講だからと言って絡むような話し方をしたり、タメ口をきいたり、失礼なことを言うと、
「普段からこういった口のききかたをしている」
と思われてしまうだけ。
会社を1歩出たからといって、上司や先輩と友達になれるわけではありません。
無礼講と言われたら『打ち解ける』という雰囲気は出しても、ていねいな言葉づかいは忘れないようにします。