3分でわかるマイナンバーでは副業がバレない
副業をしていると、マイナンバー制度で副業が会社にバレると思っていませんか?
国税局の友人にもヒアリングしてみましたが、マイナンバーが原因で副業が会社にバレる可能性は限りなく0です。
このページでは、なぜマイナンバー制度が始まっても副業が会社にバレないのか、そして会社に副業がバレてしまう理由は一体何なのかを税理士業務を行う私が徹底的に解説します。
- マイナンバーで副業がバレるのか|本質的な2パターンの検証
- マイナンバーで副業がバレると言われる理由
- 副業が会社バレする3つの理由と対策
全て読んで、あなたの副業が会社にバレないようにしましょう。
1. マイナンバーで副業がバレるのか|本質的な2パターンの検証
まず、前提としてマイナンバーで副業がバレるのは下記の2パターンしかありません。
・会社が役所に「このマイナンバーの社員が副業をしているか」と問い合わせる
・役所が会社に「このマイナンバーの人は副業をしている」と教える
この2つの可能性がないと分かれば、マイナンバーで副業が会社バレしないことがわかるかと思います。
検証1. 会社が役所に「社員が副業をしているか?」と聞けるか
結論から言うと、会社は役所に従業員が副業をしているかを聞くことができません。
なぜなら、会社のマイナンバーの利用目的は法律上厳しく定められているからです。
なので、そのような使い方をすることは法律上許されておらず、会社が役所に副業をしているかを聞くことはできません。
仮に会社がそれを知らずに役所に問い合わせたとしても、役所は門前払いをします。
検証2. 役所が会社に「この人が副業をしている」と教えるか
こちらも、役所が会社に副業をしているかどうかを教えることはありません。
なぜなら、役所についてもマイナンバーの利用目的は法律上厳格に定められているからです。
なので、役所がマイナンバーについてこのような使い方をすることは法律用許されておらず、役所が会社に副業をしていると教えることはできません。
したがって、何度も何度も言いますが、マイナンバーで副業がバレることはありません。
注意点
- お給料(給与所得)が手渡しの場合でも、会社や副業先は給与支払報告書を役所に提出するので、役所は副業の存在を知っています。なので、しっかりと確定申告をしましょう。正しい知識をもって確定申告をすれば副業が会社バレする可能性を限りなく0にできます。
- 水商売などナイトワークの場合はお店がどのような取り扱いをしているかにもよりますが、多くの場合は給与所得になっておりませんので、こちらもしっかりと確定申告をすれば会社バレする可能性を限りなく0にできます。
2. マイナンバーで副業がバレると言われる理由
本当にマイナンバーで副業がバレないのか、ということについて、一般的に「副業がバレると考えられている流れ」の間違いを指摘しながらご説明します。
2-1. バレると考えられている流れ
一般的にマイナンバーで副業が会社バレする流れというのは下記の表のとおりだと考えられます。
1番目 | 従業員が会社と副業先にマイナンバーを提出 |
2番目 | 会社と副業先が従業員のマイナンバーを税務署に提出 |
3番目 | マイナンバーの名寄で会社と副業先の所得を税務署が把握 |
4番目 | 住民税の支払通知書が会社に行く |
5番目 | 会社の給与担当者が住民税の納税額が高いと副業を疑う |
2-2. 今までと違う点
上記表の流れは、実は今までと実質的には全く変わりません。何が変わらないのかわかりやすく説明します。
1番目|マイナンバーの提出
マイナンバーがないときも、普通の会社や副業先であれば、運転免許証など身分の分かるものを会社に交付しています。
したがって、マイナンバーが始まる前と変わりません。
2番目|会社と副業先が従業員のマイナンバーを税務署に提出
マイナンバーがないときも、普通の会社であれば給与支払報告書を役所に提出しています。
副業先がアルバイト(給与所得)である場合も、副業先が給与支払報告書を役所に提出しています。
副業がアルバイト(給与所得)でない場合で、例えば広告収入などの事業所得や雑所得の場合も、確定申告が必要です。なので、確定申告書類で税務署は副業の把握をしていました。
したがって、マイナンバーが始まる前から、役所は副業を把握していました。
なので、マイナンバーが始まる前と変わりません
3番目|マイナンバーの名寄せ
マイナンバーがないときも、役所は1人1人に番号を振って管理をしていました。免許証の番号のようなものです。
なので、マイナンバーが始まる前から、その番号で名寄せをすることが実はできたのです。
したがって、マイナンバーの名寄せについてもマイナンバーが始まる前と変わりません。
4番目|住民税の支払通知書が会社に行く
これは今までもあったことです。
なので、この点はマイナンバーと全く関係ありません。
5番目|会社の担当者が住民税の納税額が高いと疑う
これも今までもあったことです。
ですが、どれくらい高ければ会社にバレるのかは会社によってマチマチです。
具体例1:アルバイト収入が5000円でバレたケース
このように副業のアルバイトのお給料が5000円でもバレたケースがあります。
この点は今までと変わらないため、マイナンバーと全く関係ありません。
マイナンバーで副業がバレるとされるステップを見てきましたが、どれもマイナンバーが始まる前と変わらないかマイナンバーと全く関係ないものです。
なので、マイナンバーが導入されても副業バレについては今までと何も変わりません
注意点
- マイナンバーについてはまだ未確定の部分があり、副業バレに影響を与える可能性もありますが、現状は大丈夫でしょう。
- お給料手渡しの場合でも、会社が給与支払報告書を役所に提出するので、役所は副業をしていることが把握できるので確定申告をしましょう
3. 副業が会社バレする3つの理由と対策
次に、副業が会社バレする理由と対策を分かりやすく説明します。
副業が会社バレするパターンは、①無申告、②住民税、③告げ口の3つ以外にありません。
3-1. 無申告
いわゆる無申告とは、確定申告が必要なのに、それをしないことをいいます。
確定申告が必要なのにしないことはそもそも法律違反です。
税務調査という税務署による緊急調査が入って脱税をしていることがバレると、場合によっては多額の税金や罰金を支払わされることもあります。
脱税をしていることがバレると、税務署はあなたが会社から毎月もらっているお給料を差押えます。
そうなると、多額の税金や罰金を税務署に支払わされる上に、あなたが副業をしていること、しかも脱税という犯罪をしていることが会社バレします。
なので、確定申告が必要な人は絶対にしっかりと確定申告をしましょう。
3-2. 住民税
ほとんどの場合は住民税が原因で副業が会社バレします。
下記が住民税についての表になります。
年収 | 住民税 |
500万円 | 約20万円 |
600万円 | 約30万円 |
このように所得によって住民税は異なります。
なので、年収500万円の会社員が住民税を約30万円支払うこととなった場合、会社の給与担当者はこのように思います。
この人年収500万円しかないのに、年収600万円分の住民税を払っている
こうしてこの社員に100万円分の副業があることが会社バレします。
副業収入分の住民税を、特別徴収という会社が払う形で納付するのではなく、自分で納付すれば会社バレしません。
そこで副業分の住民税を自分で支払うために、確定申告をしましょう。
確定申告のときに、確定申告書類の住民税に関する部分で下記のとおり工夫をするだけで会社バレしなくなります。
上記図の「自分で納付」にチェックをすると、副業分の住民税は「自分で納付」することとなりますので、会社のお給料から天引きされることはありません。
注意点
- 「自分で納付」にチェックしても市区町村役場の人がチェックもれをする場合もあります。5月に納税通知書が役所から会社に送られてきくることになってるので、4月中旬から下旬に市町村役場に電話し「自分が普通徴収になっているか」と確認しましょう。
- 「自分で納付」が選択できるのは上記表にあるように「給与所得以外」についてです。アルバイトなどの給与所得になる副業については住民税を「自分で納付」できるかは自治体によって違います。お住まいの市区町村役場に確認しましょう。多くの自治体では、副業がアルバイトなどの給与所得でも副業分の住民税を自分で納付することを認めてくれます。
- 会社員で副業がアルバイト(給与所得)で役所に相談してもどうしても「主たる給与」をもらっているところから特別徴収すると言われたら、全額を普通徴収にするよう相談してみましょう。自治体によっては応じてくれます。こうすることで住民税は自分で支払うという手間は増えますが、確実に職場には副業バレしません。
3-3. 告げ口
同僚に副業のことをしられてしまい、そこから会社へ告げ口されるパターンです。
具体例1:同僚に話してしまった場合
飲み会のときなどにポロッと自分が話してしまったことは部署全体に知られてしまったのと同じです。
絶対に同僚には副業のことは話さないようにしましょう
具体例2:ネットショップの場合
ネットショップを副業で行ったりすると、実名がインターネット上に公開されることがあります。そうすると会社の誰かがあなたのことを見つけてしまうかもしれません。
なので、副業が会社バレしたくない人はネット上に名前を公表することは絶対にやめましょう。
4. まとめ
これで、マイナンバーで副業が会社にバレないことをおわかりいただけたでしょうか。
マイナンバーで副業が会社にバレることよりも、別の理由でバレることのほうが圧倒的に多いはずです。
不景気の中、このページを読んだ人の副業が会社バレしないことを願います。