最近コミュニケーション力って大事だなと思う瞬間があります
長くつき合っているのに、いつまでたっても表面的なやりとりに終始する人がいます。
一方で、知り合って間もないのに、気がついたら「深い話をする間柄になっている」場合もあります。
その違いはどこからくるのでしょうか。
もちろん相性の良し悪しとか、考え方・価値観が似ている、といったこともあるでしょう。でも一番大きいのは、それぞれの話の内容が互いの知的好奇心を刺激し合えるかどうか、だと思います。
たとえば「話題の映画」について会話するとします。浅いコミュニケーションはこんな感じ。
「あの映画、見ましたか?」
「見ましたよ」
「おもしろかったですか?」
「はい」
「どこが?」
「いや、どこがって……全部ですよ」
「そうですか」
話がまったく膨らまないのです。こちらの質問に対する答えがあまりにも単純で、次の質問に行き詰まってしまうからです。
ひとこと、ふたことでいい。映画について尋ねられた人がもし、印象に残ったシーンの話や、監督が創る世界観、出演俳優の力量、原作との違いなどについて話をしたら、質問が自然と深くなります。当然、答える側の思考も深くなります。互いが頭を回転させて言葉のやりとりをすることで、実り多い時間になると言ってもいいでしょう。
つまりコミュニケーションの浅い・深いを決めるポイントは、「教養をバックボーンにしたおもしろい話をできるかどうか」。
だからこそ本を読むことが大切。教養を育むのに読書ほど適した“トレーニング・ツール”はないのです。
ただし教養とは、雑学や豆知識のようなものとは異なります。
単なる「物知り」が教養のある人ではありません。自分のなかに取り込んだ知識・情報が血肉となって、自身の人格や仕事、人生にまで生きている。そういう人が教養のある人です。
本を読むことで知識を深め、思考を深め、人格を深め、さらに「深いコミュニケーションのできる人」になりたいですね