旧来から日本人の美意識に「金儲けは汚いことである」といっメンタリティはあります。
例えば「武士は食わねど高楊枝」なんて言葉。
武士たる(農民、職人、商売人よりも)尊い身分の者は、たとえ貧しくてもプライドがあればやせ我慢をすべきである。またはその姿。
そもそも『清貧』なんて言葉がある国です。まぁ仕方が無いのかも知れません。
商売で言えば「貧しい」のは論外です。正直「悪」といっても良いでしょう。赤字決算を垂れ流すような会社を誰が「清貧で尊い会社だ」なんて評価をするわけもありません。
私がある長野県の農耕地で生活をしていた頃、私は生業として食品販売をしていました。
そのときに親しくなった農家の娘さんがご両親から言われたのは「商売人なんかと仲良くするもんじゃない」でした。
つい20年ほど前の話しです。
日本においては「教育」の根幹を、随分と長い期間にわたり中国の思想を輸入する事に頼っていました。
それは仏教であり、論語であり、論語から派生した朱子学や陽明学です。
本来であれば日本書紀を始めとする神道の思想体系は戦後にGHQにより排除される事によって、その後の日本人の精神的支柱になることは叶いませんでした。
無論、賛否両論あるのは存じておりますが…これは一つ、日本人のその後の文化形成や宗教観や価値観に大きな影響を与えたといっていいと思います。
そんな精神的支柱のない日本人には、これから訪れるハロウィンやクリスマス、そして大晦日から元旦の…宗教的ノンポリシーっぷりからも分かるように、積み上げられた宗教(文化)的な「価値観」が希薄です。
そして、元来は濃厚で国力を保っていた国が大政奉還後に急激に西洋化され『ビジネス』で国力を上げるに至る際に「商倫理」の熟成が未だになさえれていない気がします。
それはひとえに…冒頭に申し上げた、長きに渡る江戸時代の朱子学的な倫理観が未だに残っているのではないでしょうか。
そこで…ご紹介したいのが
こちら。
新一万円紙幣の「渋沢栄一」の『論語と算盤』です。
まだ軽く読み流しただけですが…
道徳と経営は合一すべきである。日本実業界の父、渋沢栄一が、後進の企業家を育成するために、経営哲学を語った談話録。論語の精神に基づいた道義に則った商売をし、儲けた利益は、みなの幸せのために使う。維新以来、日本に世界と比肩できる近代の実業界を育てあげた渋沢の成功の秘訣は、論語にあった。
つまり…皆で『いいお金儲けをしましょうよ』『いいお金儲けは人も地域も豊かにするんです』というお話。
日本人のメンタルの根底にある「金儲け」と「道徳」この二律背反に落とし前をつけてくれるような気がします。
また、詳細は後日ですm(_ _)m