企業の採用ニーズが高まる時期がある
年間を通じて見ると、一般に3〜4月と9〜10月に新規求人が増えます。その時期は、年度切り替えに伴う退職者の後任補充や新規事業のスタートなどがあり、中途採用ニーズが高まるのです。応募先選びの選択肢が増えるのは好材料ですが、半面、転職者も増える傾向があります。ライバルとの競争が激しくなると思えば、必ずしも有利ではないかも知れません。
転職市場の動向は参考程度にとどめる
また、マスコミで伝えられる全体的な転職市場の動向は、あくまで参考です。中途採用ニーズは業界や職種によって違うもの。ムードに流されて、不用意に転職に踏み切ったり、逆に転職をあきらめるのではなく、自分自身の考えと全体スケジュールをよく見極めることを心がけましょう。
必要な期間とタイミングから転職時期を設定
転職に有利な時期は一人ひとり違います。まずは情報収集からはじめて、自分に必要な準備期間やタイミングを読み、具体的なスケジュールをもとに自分なりの転職時期を決めることが「基本のキホン」です。
転職時期を決めるポイント
- 勤続年数:すでに短期の転職を繰り返している場合は、応募先の採用選考で不利になるケースがあることも。せめて2年間は在職した経験があると印象が変わります。
- 現在の年齢:未経験からのチャレンジの場合、年齢によっては職場が受け入れに危惧を抱く実態もあります。ハードルが高くなる目安年齢は職種分野でも違いますが、その年齢に近いようであれば、早めに動くほうが有利。とくに24歳、29歳、34歳など区切りの年齢に合う人は要注意です。
- 経済面の損得:賞与支給の後や退職金支給規定の勤続年数をクリアする時期、また自己都合退職の場合の失業手当給付期間から見た勤続年数条件など、少々の時期の差が損得につながることもあります。
20代のポイント
キャリアの浅い応募者は、「第2新卒」と見なされるか「フリーター」と見なされるかで選考に影響するもの。職歴がアルバイトや派遣だけなら、志望業界の選考の傾向をチェック。場合によっては、ある程度の勤続実績を積むまで待つほうが有利に運ぶ例もあります。
30代のポイント
即戦力を求める中途採用ニーズは欠員募集が中心。明確な発生時期は不明です。自分なりのスケジュールを立てたら、いつでも応募できる態勢を整えておくことが大切です。そのうえで、求人をこまめにチェックして、チャンスを逃さないようにしましょう。
40代のポイント
自己都合退職の場合、雇用保険の加入期間が9年11カ月間であるのと10年間あるのとでは、失業手当をもらえる期間に30日間の格差が生じます。また、マネジメント職志望など、転職後のキャリアに明確なビジョンを持っている場合は、志望分野の企業の内情に詳しい専門家と相談しながらタイミングを図ることも大切です。